今夜、きみの手に触れさせて


そんなふうに言って笑った純太くんの言葉の意味がわからない。


笑顔の意味がわからない。


「こんな気持ち……オレだけ?」




「オ、オレだけだよ、そんなの!」


思わずそう答えたら、純太くんは目を丸くした。




「わたしは、純太くんが他の女の子を好きになるなんてヤだ。

か、か、悲しくて泣いちゃう。

わたしだけを見てほしいって思っちゃう」


もっと激しくて醜くて、自分では手に負えない気持ちが、涙と一緒に溢れてくる。




「だけど、あきらめなくちゃいけない?

もういらないの? わたし」


別れるってことだ……?




純太くんの返事がないから、涙をゴシッとこすって隣を仰ぐと、純太くんはなんだかポカンとこっちを見ていた。




「え、孝也とつきあうだろ?」


「つきあわないよ!」


「知らねーの? あいつ、スゲーいーやつよ」


なんてマジで言う。




「それ、藤沢くんも言ってた」


わたしがそう答えると、純太くんは驚いた顔をした。


「孝也としゃべったのか? オレのこと」


「うん。がんばれって言ってくれた……よ?」


「マジか……」


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