今夜、きみの手に触れさせて
それから純太くんは、とっても不思議そうに聞いたんだ。
「青依ちゃんは、それでいーの?」
「何が?」
「オレとは全然合わねーって泣いただろ? 思ってたのとちがうって」
「それは純太くんがホテルに行くんだと思ったから……」
カン違いが恥ずかしくて、声が小さくなっていく。
「キス……いやがって泣いたのに、オレ熱くなっちまって……」
純太くんも声のトーンを落とした。
「青依ちゃんには、もー嫌われたと思ってたんだ。スッゲー泣かしちまったし……、孝也に勝つ要素、オレ全然ねーもん」
じっとわたしを見つめて、純太くんはそんなことを言う。
「だからもう青依ちゃんが泣かなくても済むように、別れを切り出しやすくしたつもりだったんだ」