今夜、きみの手に触れさせて


それから純太くんは、とっても不思議そうに聞いたんだ。


「青依ちゃんは、それでいーの?」


「何が?」


「オレとは全然合わねーって泣いただろ? 思ってたのとちがうって」


「それは純太くんがホテルに行くんだと思ったから……」


カン違いが恥ずかしくて、声が小さくなっていく。




「キス……いやがって泣いたのに、オレ熱くなっちまって……」


純太くんも声のトーンを落とした。




「青依ちゃんには、もー嫌われたと思ってたんだ。スッゲー泣かしちまったし……、孝也に勝つ要素、オレ全然ねーもん」


じっとわたしを見つめて、純太くんはそんなことを言う。


「だからもう青依ちゃんが泣かなくても済むように、別れを切り出しやすくしたつもりだったんだ」


< 462 / 469 >

この作品をシェア

pagetop