【完】恋愛条件
━…
服を選び終えた私は駅前に向かっていた。
『あれは…』
少し赤みのかかった茶色の髪。
もしかして…
『浅田くん!』
「!!茅原」
浅田くんの背に向かって声を掛けると、ビクッと少し肩を振るわせてこちらに振り向いた。
私は数メートル先にいる浅田くんの方に小走りしたがら距離を縮めて行った。
『何?お出かけ?』
「まぁ、コンビニにちょっくらな。そっちは?」
『私は今から駅前に行くんだ』
「あ、蓮と仲直りデート?」
蓮と名を出されて、私の胸は締め付けられた。
まただ…、どうして蓮の事を思い出すと苦しくなるんだろう。
『違う、幼なじみと!』
「は!」
幼なじみの所を強調して笑っうと、浅田くんは眉間にシワを寄せた。
「お前、『はい!コンビニだよ!』
浅田くんの前で私は立ち止まりコンビニを指差した。
『じゃーね!』
「茅原ッ」
名前を呼ばれても振り向かず手を振ってその場を離れた。