【完】恋愛条件
また雑誌に目を向けた朱祢。
横顔を見ると羨ましそうに見ていた…
━…
あんな行きたそうな顔してて、しかも目の前に特集の観覧車があれば…
「まさか、アイツッ!!」
行く宛を見つけ出し、俺はまた走って観覧車に向かった。
色んな色に変わってグルグルと回ってる観覧車。
段々と夜になるにつれて綺麗に見える。
『いいなー…』
顔を上げて一歩下がり、大きな観覧車を眺める。
でも、一人で乗るのもな…
『はぁ…』
一体何回目の溜め息かな??
きっと数え切れない程してるだろう。
『そろそろ戻ろ』
さすがに竜ちゃんにも悪いし、と思って来た道を引き返そうとすると…
『…』
来た道から一人の黒髪が走ってこちらに向かっている。
きっと彼女との待ち合わせかな??
とか、軽く人事のように考えていた。