【完】恋愛条件
「…隣に行っていい?」
『あ、うん。』
私が頷くと直ぐに席を立って、隣にちょこんと座った。
結局、言いたい事は何だろう…
『「あのさ」』
話を切り出そうとしたつもりが、二人してハモってしまった。
『蓮から…』
「お前からでいいからっ」
蓮に譲ろうとしたのに、逆に蓮からも譲られて私からに…
『蓮…、ありがとう』
「は?何のお礼?」
『全部!!』
クラスの輪の中にいれてくれた事…
どんな時も側にいてくれた事…
『蓮には本当に感謝してます!ありがとう!』
改めて蓮に向かってお礼が出来た。
「…っ」
『え?』
また、ギュッと蓮に抱きしめられた。
でも横目で蓮の横顔を見るとほんのりと頬が染まっていた。
抱き締めたのは、照れ隠しね。
蓮が可愛くって私は笑みがこぼれた。