【完】恋愛条件
意外と観覧車は少し列んでいただけで、すんなりと乗れた。
店員さんが、゛ごゆっくりどうぞ゛と私達の乗ったゴンドラを見送った。
『蓮…』
「…」
さっきから何を話しかけても無言の蓮。
空気が重すぎて、これ以上蓮を見れずにゴンドラの窓から景色を見てみる。
まだ頂上についていないのに園内の景色が一望できた。
「あの、さ…」
『ん?何に??』
今度は蓮から口を開いてくれて、私は蓮の方を向いた。
「あの時勝手にキレてごめん」
蓮は素直に頭を下げて謝ってくれた。
きっとあの時とは学校での時の事だろう…
『ううん、大丈夫。ちょっと怖かっただけ…』
確かに初めて蓮の怒る姿を見て怖かった…
あの時は、怖さで体が動かなくって蓮を見ている事しか出来なかったし…
「後…っ」
『後…、何よ?』
急に私から視線を外して目を泳がせて俯き口ごもる蓮。