モテるんは俺の趣味やっ!
手を乗せた瞬間、わたあめに触れたような感触。







「ぅわ、ほんま……ふわっふわや!!」





「せやろ?」







たっちゃんが、まるで自分のことのように自慢げに笑う。







「こいつ、野良のくせに、良いもん食っとんやなぁ」







あたしが感心していると。







「こない可愛い顔しとるから、みんなに面倒みてもらえんねやろ。


俺と一緒やな!!」







たっちゃんは当然のように答える。







「あほか。いつものことながらきもいわ」






「いいかげん慣れぇな」






「慣れてたまるかい。


みんなたっちゃんウイルスにやられて目が曇っとるけど、あたしだけは常識たもってみせんで」






「ははー、いつまでそないなこと言っとれるかな」






「永遠に言っとれるわ、見とれよ」






「ほな一生見守らせてもらいますわ」







たっちゃんがくすくすと笑う声が、あたしの耳をくすぐった。






ほんま、あほくさいやっちゃ。






しばらく、並んでベンチに座ったまま、二人で子猫を撫でる。




柔らかいそよ風が、さらりと頬を撫でるのが、すごく心地良い。






ふいに、ぱちぱち、と弾けるような音が聞こえて、たっちゃんとあたしは、同時に顔を上げた。






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