憂鬱なソネット
「それでは、新婦さまとお父様のご入場です」




チャペルの扉が開かれる。


あたしはお父さんの腕に手をかけ、ゆっくりと歩き出した。



裾の長いドレスだし、履き慣れないハイヒールだし、歩きにくいからどうしても俯きがちきなってしまう。



まぁ、俯きたくなるのは服装のせいだけではないんだけど。




チャペルに足を踏み入れた瞬間、拍手が沸き上がった。



みんなが後ろを振り向き、あたしを見ている。


神父さんの前に立ってこちらを見ている新郎姿の巧には、誰も目を向けていない。


よかった………。




「あやめちゃん、きれいー!」




なんて嬉しいことを言ってくれたのは、従兄弟の子どもで小学五年生の友梨ちゃん。



あたしはにっこりと笑いかけたものの、心から喜べないのがつらい。




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