憂鬱なソネット
「ははは、本当に仲がおよろしいんですね。息ぴったりだ!

いい式になりそうですねぇ」



「………あはは、どうも………」




巧と良い式をしたって、何の意味もないんだけど。




「では、そろそろご親族の方々も入場いたしますので、一度出ましょう」




あたしと巧は力なく頷いて、重い足取りで、裏口からチャペルを出た。



ここからは、新郎と新婦は別行動。


新郎は先にチャペルに入場して、花嫁の到着を待つのだ。




あたしは、案内されるがままにひと気のない廊下を歩いていき、親族の入場が終わったチャペルの正面入り口に辿り着く。



そこには、お父さんが待っていた。


二人で顔を見合わせて、微妙な表情になる。



それを、結婚式直前の父娘の緊張感だと解釈したのか、式場の人は落ち着かせるようにゆったりと微笑んだ。




「大丈夫ですよ。

ご親族の皆様が温かく迎えてくださいますから」



「はぁ………」




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