憂鬱なソネット
ヴァージンロードをお父さんと歩き、次は巧のもとへ。



左手にブーケを持ち、右手を巧の腕に絡めて、あたしは神父さんと向き合う。




この神父さんも、まさか、目の前にいる新郎新婦が実は姉弟だなんて思ってないんだろうな。



あたしはちらりと巧を見る。


長いウィッグを適度に乱して、寅吉らしさを演出していた。



顔が隠れているので、表情はよく分からない。




これなら意外と、寅吉側の親族たちも気づかないかもしれない。



というか、そう願うしかない。




「………汝は、この女を妻とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、

共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、

妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもと、誓いますか?」




「………はい、誓います………」




巧は、声の違いを誤魔化そうとしているのか、やけに低い声で答えた。




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