憂鬱なソネット
「もしかして、あやめさん、俺に愛想つかしちゃったのかと思って………。


それで、他の男と結婚することになったのかと………焦った………」




そんなことを言って、ほっと安堵したように息をつく寅吉。



その瞬間ーーーあたしの堪忍袋の緒は、完全に切れた。




「………ふざけんな、馬鹿!!」




パイプオルガンの音がよく響くように設計されたチャペルに、あたしの怒号が響き渡った。




「寅吉のアホ!! 間抜け!!」




怒りの叫びはわんわんとこだまして、みんなの頭上を通り過ぎていく。




「なにが愛想つかされた、よ!!

それはこっちのセリフよ!!」



「え………あ、あやめさん?」




驚いたように目を丸くしている寅吉を、あたしはありったけの眼力で睨みつけた。



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