憂鬱なソネット
「………あんた、分かってんの!?

あんな変な書き置きだけ残して、ある日突然いなくなって、

旅に出るとか、探すなとか、自分勝手な………馬鹿じゃないの!?」




あたしの言葉を聞いて、お父さんもお母さんも巧も、寅吉のお父さんとお母さんも、愕然とした表情になっている。



寅吉は腹痛ってことになっていたのに、あたしがこんなことを言い出したから。



色々言いたいことも訊きたいこともあるんだろうけど、あたしの剣幕を見て、口を開けずにいるらしい。



それをいいことに、あたしは周りも気にせずに感情をぶつけた。




「いきなりいなくなって、なんの音沙汰もなくて、結局、結婚式の日になっても現れなくて………。


あたしがどんな気持ちだったか、分かってんの!?」




< 108 / 131 >

この作品をシェア

pagetop