憂鬱なソネット
ダイヤモンドと聞いた途端に、親族席にいたおばさま方が一斉に立ち上がり、わらわらと寄ってきた。




「なんですって? ダイヤモンド?」


「ダイヤモンドの原石?」


「寅吉くんが自分で掘ったって?」


「まぁ………ダイヤモンドってこんな感じなの?」


「ただのガラスの欠片みたいねぇ」


「磨いたらキレイになるんですよ」


「へえ、そうなの」



あたしの手の平を覗き込みながら好き勝手に話し合うおばさま達。



もはやどこにも結婚式らしい厳粛な雰囲気など残っていなかった。



唐突に神父さんのことを思い出して振り返ると、途方に暮れたように騒ぎを防寒していた。




………なんかもう、どうでもいいや。




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