憂鬱なソネット
そう語る寅吉の指が、ふとあたしの目に入った。



全ての爪の間に土のようなものが詰まって、真っ黒になった指。



ダイヤモンドって、どうやって発掘するのか知らないけど。


そして、どれくらいの確率で採れるのか知らないけど。



でも、きっとものすごく大変な作業だし、時間もかかるし、そして採れるのってものすごく奇跡的なことだと思う。



寅吉はそれをしてくれたんだ。


あたしのために。


きっと、泥まみれになって。




寅吉の贈り物は、いつもかなりズレてるけど、


でも、あたしを喜ばせるために必死に考えてくれてるんだって、伝わってくる。




「………ありがとう、寅吉」




あたしは、今度は心から、寅吉に感謝を伝えた。




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