憂鬱なソネット
微笑み会うあたしと寅吉の間で、神父さんが困ったように「あのぉ……」と声を上げた。




「………指輪交換はどうしますか」




その言葉に、あたしははっと我に帰る。




「あ、やります、やります。

みなさん、お騒がせしました」




親族席のほうに頭を下げると、寅吉もあたしにならって深々と礼をする。




「遅れて申し訳ありませんでした。

お待たせしました」




「………えー、それでは、ベールを上げて指輪の交換を」




「はい」




寅吉が少し緊張した面持ちであたしのベールを外し、

寅吉父母が用意してくれた指輪を手にとった。



あたしは左手につけていた白いレースの手袋を外し、寅吉の前に差し出す。





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