憂鬱なソネット
寅吉はふふっと笑って、「うん、どういたしまして」と言った。
それから、今度は、背中に回していた左手をのそっと動かす。
「………あの、あやめさん」
「うん」
「本物のプレゼントは、こっち」
「え………」
寅吉が左手で差し出したものを見て、あたしはまた、目が点になった。
それは、真っ赤な花束。
ーーーただし………カーネーション。
「…………ぷっ」
あたしは噴き出してしまう。
そのあと、「あははははっ」と爆笑してしまった。
だって、だって……カーネーションですよ!?
どこまで予想を裏切ってくれるわけ、寅吉は!!
ひいひい言いながら笑うあたしを、寅吉がぽかんとした顔で見つめている。
「………どうしたの、あやめさん。
なんか、おかしかった?」
あたしは「おかしいよ!」と断言した。
それから、今度は、背中に回していた左手をのそっと動かす。
「………あの、あやめさん」
「うん」
「本物のプレゼントは、こっち」
「え………」
寅吉が左手で差し出したものを見て、あたしはまた、目が点になった。
それは、真っ赤な花束。
ーーーただし………カーネーション。
「…………ぷっ」
あたしは噴き出してしまう。
そのあと、「あははははっ」と爆笑してしまった。
だって、だって……カーネーションですよ!?
どこまで予想を裏切ってくれるわけ、寅吉は!!
ひいひい言いながら笑うあたしを、寅吉がぽかんとした顔で見つめている。
「………どうしたの、あやめさん。
なんか、おかしかった?」
あたしは「おかしいよ!」と断言した。