憂鬱なソネット
二人で硬直したまま押し黙っていると。




「あぁ、もしキスが恥ずかしいという場合は、おでこでも大丈夫ですよ」




茶目っ気たっぷりに付け足されたけど。




………いやいやいや、おでこでも無理ですって。


さすがにね、実の姉弟ですから。




巧が耳元に口を寄せてきて、



「さすがに無理があるだろ、やっぱり」



と囁きかけてきた。



あたしも頷き、



「………あのー、キスなしとかって、駄目ですかね………?」



と訊ねてみる。



すると意外にも、「そういう方もいらっしゃいますよ」と返ってきた。




「それでは、誓いのキスは省略ということでよろしいですか?」




「「ええ、もちろん!

ぜひとも省略でお願いします!!」」




巧と声が揃った。


さすが実の姉弟。




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