この思いを迷宮に捧ぐ
父が、祖父が、そのまた祖先が、痩せた土地をなんとか工夫して治め続けた国だ。

私の代で潰すなど、冗談じゃないと、強く思う。


小さくとも、数万人が暮らし、この国しか知らない国民がほとんどを占めている国なのだ。

「私が守らないで、誰が守るというの」

怒りなのか使命感なのか、よくわからないものに震えていたのは、どのくらいの時間なのだろう。


「なら、好きにすればいいんじゃね?」

その言葉の割には、優しい声音が印象的で、千砂ははっと顔を上げた。
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