この思いを迷宮に捧ぐ

もう瞼を閉じて、うとうとし始めている千砂が、何を考えているのかは全く読み取れない。

「眠い...」

微かに身震いして、千砂がそう答えた。


寒いから余計眠れないんだろ。そんなに眠りが浅いんだろ。そう言い返す気も削がれる。

千砂がそっと翠の胸元をぎゅっと握り、頬をすり寄せたから。


無防備過ぎじゃないか。
誰かと間違えてんのか。
寝ぼけてんじゃないか。

「翠...」
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