この思いを迷宮に捧ぐ
千砂は、母を何とか客間に押し込んで、一通り一方通行のおしゃべりに付き合ってから、ようやく解放されて部屋に戻ってきた。

「賑やかな人だな」

翠はそう言って笑う。

千砂が一人では、毛布も被らずに眠ることを知ってから、翠は、できるだけ一緒に睡眠を取るようにしている。

千砂が嫌がったり追い出したりするならやめようと思っているが、今のところそういうことはない。

「・・・そうね」
「何だよ、その間は」

千砂の母親が賑やかなのも笑えるが、翠にとっては、何より千砂が母親に振り回されているのがおかしかった。
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