この思いを迷宮に捧ぐ

「わかるでしょう?」

げんなりした表情で、千砂が逆にそう聞き返す。

「まあね。あんたを見てるとおもしろい」
「もう」
「いいじゃん。楽しいし」

「まあ、ね。あなたに早く会うように言われなければ、呼ばなかったかもしれない。でも顔を見ることができて、安心はしたわ。ありがとう」

こうして、気を抜いて笑うときだけは、千砂は少し母親に似ているのかもしれないと、翠は思った。
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