この思いを迷宮に捧ぐ
今度は千砂も、そんな気がしていた。
晃登の声真似をした日の後も、そうだった。
済んだことは気にならないのか、私に関心がないのかはわからないが、つついてほしくないからよかった。
千砂はそっと胸の中でだけ呟く。
朱理がふと青英を見つめたと思ったら、一生懸命背伸びをして、キスをねだる様子だったから、千砂はびっくりした。
真っ赤な顔で、呼吸を整えようと、胸の水都をぎゅっと抱いた朱理に、さっき言っていた青英の気遣いも大袈裟な話ではないのかもしれないと、千砂は思う。
でも、自然に身を屈めて、青英が軽く口付けたのを見て、もっと驚いた。
「場所をわきまえろって言ってるだろ」