この思いを迷宮に捧ぐ


夢中でそれをまとめあげて、一心地ついた時、ようやく思い出すのは翠のことだ。

あの男は、今頃牢で、膨れっ面をしているのだろうか。それとも、平気で眠っているのだろうか。

いまだに、行動パターンも思考回路も千砂には読めない。それでも、私は、もうすぐ牢に向かうのだろう。

あの男を迎えに。


今はまだ、何物でもない感情を、あの男とともに、この国に捧げて、理想の国を目指す日が来るのだろうか。

やがてこの気持ちが、せめて同士として抱くものに育つなら、きっと、この国も豊かになるのではないか。
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