この思いを迷宮に捧ぐ
「眠れないの?珍しいわね」
夜中なのに、翠が窓辺に立っているのがわかって、千砂は声をかけた。
「うん。あんたも目が覚めたのか」
千砂は頷きながらも、多分、自分の場合は横に翠がいないから寒くて起きたのだと思った。
「何を飲んでいるの」
グラスに透明な液体が入っている。
「アルコール。あんたも訓練するか?」
くすりとからかうように翠に笑われて、千砂はむっとした。
「少しなら大丈夫だもの」