この思いを迷宮に捧ぐ
奪ったグラスから、ごくりと一口含んで、千砂は思わずむせた。
今度ははっきり翠が笑う。
「度数ヤバいから気を付けなよ」
喉が奥までカッと焼けそうに熱い。
「こんなの初めて飲んだわ。口から火が出そう」
「だろうな。水の国の北端にある村の名酒だよ。ここに来るまでの10年くらい住んでた」
「え?首都にいたんじゃなくて?」
「あんなとこいられるか。鬼ババがいるのに」
「そう。お母様と二人暮らしだったのね」
「いや。母と義父と義理の兄弟たちとね」
「え?」