この思いを迷宮に捧ぐ

わずかに見えたその顔が迷惑そうに見えた。

混乱した千砂は、そのまま翠に口付けた。


こんな肌触りだっただろうか。

動揺のせいか、随分時間が空いたせいか、よくわからない。


「ちゃんと好きにならせて」

翠が予告のない突然の視察に出る直前、好きだと言えと強要したことを何度も思い返していた。

「好きって言葉は本当に好きになってからしか言えないものでしょう?だから、一緒に宮殿に帰って」
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