この思いを迷宮に捧ぐ
そのドアは、見る間に内側に向かって縦に倒れてきて、床で派手な音を立てた。
「何してるんだよ...お前らは」
聞き耳を立てていたらしい、酒場の人たちの重みでドアが壊れたようだ。
反射的に翠の膝から飛びのいていた千砂は、恥ずかしい体勢を見られずに済んでほっとしたが、人がぺしゃんこになった山の向こうで、坡留が一人の男に羽交い締めにされているのをみてびっくりする。
「坡留?」
ブスッと拗ねた表情を全く隠すことなく、坡留は黙っていたが、隙ができた男をひじ打ちしてねじ伏せた。
「いったぁ!坡留ちゃん、ひどい!」