同居だってつらいっ!
「ああ、茂さんと透くんの荷物は、二階にある部屋を使ってね♡

あと、透くん、悪いけど部屋が足りなくて、リフォームするまで緋音の部屋で過ごしてね♡」

「ああ。」
「はい。」

コンコン、部屋をノックし、俺は緋音というやつの部屋に入った。

そいつはうずくまっていた、なんだかすごく悪いことをした気分だ。

近くに行くと、どうやら俺の存在に気づいたらしく、


「ひっっ…!」


と、言い、後ずさった。

大丈夫だよ、悪いことはしない。

女の子の前に屈むと頭をそっとなでた。

それにさえびびったようで、顔をくしゃくしゃにしていた。

俺は立ち上がり、
「一時この部屋、俺も使うように言われた、よろしくな」

少女の動きが静止した。


そんなにショックなのか。だがからかいたくなるのが人の心というもので

「恥ずかしいの?」

なんて聞く。

「なっ!?そんなわけ…な…い…!」

顔を熟れたトマトのように真っ赤にして小さな声で抗議する。

その様子がとても可愛らしい。

冗談とかが通じないタイプか。

いまだに泣きそうな顔をして隅っこにいる緋音を見て、小さく笑った。



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