リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「ちっ…」
えっ……舌打ち?
微かに聞こえてきた音に、反応せずにはいられなかった。
私はもう一度、青山友樹に目を向ける。
すると明らかに私を見ながら彼はこう言ったのだ。
「ここにいる全員、7回もある面接を通り、狭き門を突破して、この青山商事の一員になった優秀な人材だと信じています」
……この人、相変わらず性格が悪い。
私に嫌味言ってるわけ?
「とはいえ、うちのIT企画推進部は先輩後輩、上司部下、みたいな堅苦しい雰囲気ではやっていないので安心して」
彼はそう言うと、パチンと両手を合わせて。
「この後、12時半からさっきの二階のホールで懇親パーティーがある。参加は自由だが、新入社員同士の交流の場にもなるだろうから、参加することを勧める」
懇親……パーティー……って何⁉︎
パーティーなんて、誕生日とクリスマスくらいしか知らないんですけど。
「そろそろ腹も減ってくる頃なんじゃないか?食事はバイキング形式の立食になってるから、たくさん食べるといい」
「うわっ、本当ですか⁉︎実はもう腹の虫が鳴りそうだったんで、めちゃくちゃ嬉しいです!」
的場君がお腹をさすりながらそう言うと、青山友樹は、ははっとひと笑いしてから口を開いた。
「ビールやシャンパンもあるから飲む飲まないは個人に任せるが、くれぐれも羽目は外すなよ?社内行事の一環だってことは忘れないようにな」
「はいっ!多分…いや、絶対飲みますが羽目は外しません!」
的場君の答えに、オフィスにいる全員が同時に笑った。
そして、ふたりのそんなやりとりのおかげか、緊張していた私達新入社員の表情は和らいでいって。
堅苦しいイメージだったオフィスの雰囲気が、なんだか良い意味で崩れたような気がした。
このまま平和に社会人生活を送れるといいな……。
ぼんやりと、そんなことを一人で考えていた。
だけど……
「懇親パーティー行くよね⁉︎」
隣にいた彼女、田中美琴の言葉で私は途端に慌てる。