memory
正直、まだ信じられない。今はなんともない僕の身体、もとい、【記憶粒子】が、1週間後にはこの世から永遠に消えてしまう。僕は、【記憶粒子】という存在で、人間じゃない……。
「人間になる為には、自分の身体を見つけないといけないんだよね。ねぇ、シルクは僕の身体の居場所を知ってるの?」
「私は教えない。いや、教えちゃいけないの。教えたら、あなたはその場で粉々になっちゃうから。その代わり、ヒントは教えてあげられる。」
シルクは、僕には正確な場所までは教えないが協力はしてくれるらしい。
生きたいなら、選択肢は1つ。
「わかった。8月31日までに、自分の身体を見つけるよ。どうすればいい?」
「思い出せばいいよ。自分が昔、身体を失った場所を。10歳の時、自分になにがあったのか。」
10歳の時の自分を、今から見つめなおさなければならない。
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