仲良し8人組
「でも俺には見える。多分ひなしか入れないんだ…と思う。部屋のドアにベニヤ板がバッテンに張り付けられてるしな」
ベニヤ板まで……。
完全に入ることが出来ない様になっているんだ。
「う、……嘘」
亮介がハッキリと言い切っているのだから、嘘じゃないと理解していても、嘘…と言わないと自分が壊れてしまう気がする。
ひな自身も、ひなの部屋でさえもこの世界に拒絶されている。そんな気分だ。
「ひなの部屋っていうのも、この世界では存在しないのかもな」
頭を捻りながら亮介が出した答えは、存在していないというもの。
その亮介の考えにひなも頭を捻る。
「私の部屋が存在してない。私には見えるけど、亮介には見えない。それって、異空間って事?」
「かもな。部屋もタイムスリップしてるって考える方がしっくりくるだろ。そしたらさ、ひなの部屋自体がこの世界にはない異空間なのかも」
この世界と違う世界を異空間と仮定するなら、ひなの記憶がある3年前の世界はこの世界からしたら異空間になる。
あってはいけない空間。
居てはいけない人。
それがきっとひなだ。
「……ぽいね」
ポツリとひなの口から漏れたその言葉は酷く弱々しい。
しかしそれを隠すようにニコッと笑った顔を亮介に向けた。
「じゃあ、お風呂だけ入って戻ってくるね!私には見えてるからさ」
亮介に背を向けると、ひらひら手を振ってみせる。