仲良し8人組
「おう。ここで待っててやるよ」
「絶対にだよ!」
「絶対に動かねぇよ!」
ニヤッと笑う亮介は、ひなが不安を隠しているのに気付いているのだろう。
気付いていても、異空間であるひなの家に入る事すら出来ない亮介はここでひなが戻ってくるのを約束通り待つだけ。
それが精一杯なのだ。
暫くしてひなが部屋から出てくると、あからさまにホッとした表情をする亮介。
それにひなが苦笑いを漏らした。
「戻って来ないと思ってた?」
「戻れないかもとは少し思った。でもそんな予想が当たらなくて良かった」
戻って来ないっていうのはひなの意志。
でも、戻れないっていうのはひなの意志じゃなくてそういう状況に陥るという事。
亮介の答え方は優しさを含んでる。
ひなが自分の意思で戻らないなんて事無いと思っている言い方だ。
それが嬉しくて、ニコッと微笑むひな。
「私も。……また亮介と話せて良かった」
本当はずっと話していたい。
それが叶わない様になるなんて誰が想像出来ただろうか。
ひなの存在が消えるまでの時間は刻一刻と迫っているのだ。
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カタンカタン。
ホームから電車が遠ざかるにつれて、徐々に小さくなっていくその音。
その音を聞きながら、ホームから改札へと歩を進めていく。
改札を入ったら直ぐに目の前にホームがあるという造りのこの駅は、まさに田舎ならでは。