仲良し8人組
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ひなの目に映るのは昨日と全く変わらない河川敷。
今日もパラパラとサトシと同じ様な格好をしたホームレスの人がいるというだけ。
しかも彼等にはひなは見えないのだから、彼等の目を気にする事も無くサトシの段ボールで出来ている家へと駆けていく。
「サトさん居るかな?」
サトシの家の扉であるビニールシートを前にしてそう呟くひなの顔は少し微笑んでいる。
協力者が見付かったという良い報告が出来る事が嬉しいのだ。
「あのー、サトさん。神崎ひなです」
家の中に居るであろうサトシへと向かって声を掛けるひな。
が、中から何も返ってこない。
出掛けてる…のかな?
そう思ったもののもう一度声をあげる。
「サトさーん!」
やっぱり出掛けてるのかも。
それとも……。
私の声が聞こえなくなった…とか。
ひなの背中に冷たいものが伝う。
「あのー!」
必死に叫んでいるのは、昨日までは話す事が出来ていたサトシと話せなくなっているかもしれないという恐怖から。
「サトさん!居るなら返事して下さい!」
それでもサトシからの声は返ってこない。
「サトさん?留守?」
そうであって欲しい。
その思いからそっと家の入り口となるビニールシートへと手を伸ばした。