仲良し8人組



その考えで研究していく内に、


《ある情報を君は知らない。こんな事は無かった》


そう脳へ呼び掛けられる波動を私達は発見したのだ』



それって……。



ひなが消えた存在になっている事も、全ての人に神崎ひなという人物は居ないと呼び掛けられたからということになる。


つまりは、今ひながこの状態に陥ったのはボヌール社のせい。



『その発見を期に、ボヌール社が秘密裏に始めた計画。


それが《平和の国プロジェクト》だ。


治安の悪いこの世界は、殺人事件が起きれば必ずと言っていい程、何件もの模倣犯が現れていた。


その模倣犯を無くす為に殺人事件等の凶悪犯罪の記憶を消す様にしようと会社は考えた。


テレビ、ネット、携帯電話等の電子機器が溢れかえったこの世界でその波動を流すのは容易な事だ。


会社としては直ぐにでもその波動を電波を通して流そうと思っていた様だが、全ての人へ使うには先ず試してみる必要があると私とサトシは言い切った訳だ。


この辺りで会社が強引に事を運ぼうとしている事に気付いていれば……。


そう思うと悔やまれる』



模倣犯が何件も!


そんな記憶、私には無い。


凄く治安が良くて平和そのもの。


そういう印象しか私には無い。


私は、……私達は既に記憶を消されてる?



一気にひなから血の気が退いていく。


自分の記憶が知らない間に勝手に消されているかもしれないという事実が怖い。


小刻みにひなの指先が震える。


それでもひなはページを捲るのをもう止められない。


知りたくないけれど、知らなくてはならない事の様な気がするのだ。


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