仲良し8人組



『私達の研究の人体実験に志願してやって来たのは、3人。


その内二人は同じ研究員の仲間だ。


が、残りの一人は会社が連れてきたらしい高校生の女の子だった。


どこか達観した目をしていた彼女は、外見こそ女の子だったが、醸し出す雰囲気は大人と同じ。


そんな雰囲気の変わった子だったと思う。


今思うと、私もサトシも自分達の研究が成功するのかどうかというのを試したいという衝動に駆られていたのだろう。


被験者の彼等の事は、それ位しか知らなかったのだ。


実験そのものは私達の作った電波を出すコマーシャルを見てもらうというもの。


ただそれだけ。


私達はそれによって昨日起こった事件を覚えているかをチェックするだけだ。


結果を言うと実験は成功した』



コマーシャルって……、


ボヌール社のコマーシャルの事だ。


普通のコマーシャルよりも多く見掛けたコマーシャル。


スマホでネットにアクセスする瞬間に出るボヌール社のコマーシャル。


街頭大型テレビで放送されるコマーシャル。


それに、サトシにカレーを持ってきたシゲさんが言っていた、……コマーシャルが流れているトラック。



全く気付いてなかった。


こんなにも、ボヌール社は私達にコマーシャルを見せようとしていたんだ。



平和の為に貢献していると思っていたものが違った時、ガラガラと音をたててひなの見てきた世界が崩れていく。


真実が分からない。


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