仲良し8人組
「おう。またな!」
そんな貴文の言葉を背に逃げるように家から出るひな。
その後に亮介が続く。
外に出たひなは全力疾走をしたわけでも無いのに、はぁ…、はぁ…と荒い息遣いをしながら膝へと両手をつけた。
「ひな、大丈夫か?」
ひなの顔を覗き込んで心配そうな表情をしている亮介。
その亮介に向かって少しづつ言葉を紡いでいく。
「彼は、馬渕貴文っていう名前?」
出来ればそうであって欲しい。
そんな願いは虚しく散っていく。
「いや、ちげぇよ。貴文君は馬渕さんの奥さんの方の親戚だから、名字は瀬野」
「せ、……瀬野」
行って欲しくない方向へと転がりだしたボールは、もう止まることは無い。
記憶違いなら良いのに……。
そう思ってもガタガタとひなの足が震える。
「それがどうかしたか?」
「あの人は、……3年前に殺人犯で捕まってた…って事は無いの?」
恐る恐るそうひなが亮介に訊くも、目を丸くする亮介はきっと知らない。
「殺人犯!?」
「うん」
「貴文君は殺人犯なんかじゃねぇけど」
何、言ってんだ?という顔をひなに向けるが、ひなだって嘘を吐いているわけじゃない。
亮介の服の裾をギュッと握り締めて顔を近付けると、
「でもっ!私は3年前のニュースで彼が捕まるのを見たよっ!」
必死にそう詰め寄る。