仲良し8人組



「捕まるって……。3年前って……」



ひなの言う事は信じたい。


でも、仲の良かった貴文が殺人犯とは思いたくない。



亮介の頭の中ではそんな葛藤があり、眉間にグッと皺を寄せた。



「本当だよ。間違いないと思う。だって彼は今、28歳なんじゃない?」



ひなが3年前の世界で見たニュースでは、犯人の年齢を言っていた。


確か、25歳だと。


3年後のこの世界での彼が殺人犯の瀬野貴文なら、今は28歳だ。


亮介の喉がゴクッと鳴る。



「貴文君は、……ひなのいう通り28歳だ」



道路へと視線を落としている亮介にひなが、ね。と口にする。


たった一言なのに、その一言に込められている意味は凄く重い。



「でも、……貴文君が殺人犯で捕まったんだったら、…こんなに直ぐに出てこないだろ」


「…………」


「ひながいう通り貴文君が殺人犯だったとしたら、何で貴文君は普通に生活してるんだ?」



弱々しい亮介の問いに、ひなもハッキリと答えを言えない。



亮介の言っている事は間違っていない。


殺人なんて犯罪を犯した人がたった1、2年で出所してくるわけがない。


でも、……もし、………瀬野貴文の犯罪の事件の記憶も消されていたとしたら……。



「ハッキリとは私も分からないの。分からないけど、事件の記憶を消すって事は犯人すらも居なかったものにするのかも」


「犯人も?」



顔を上げた亮介が不思議そうに首を傾げる。


犯人が消えるという意味がいまいち分かっていないらしい。


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