仲良し8人組
それでもひなに残された時間は後少しだけ。
今言わなかったら、もう絶対に言うことが出来ないのも分かっているのだ。
隣で黙ってひなが口を開くのを待っていてくれる亮介の目をしっかりと見つめると、重い口をゆっくりと開いた。
「私が人殺しかもしれない事が、……怖い」
「な、何でひなが人殺しなんだよ!」
ひなの突然の言葉に目を見開く亮介は、ひなの夢の内容をしっかりとは知らない。
ひなが亮介に知られるのが嫌で言っていなかったから。
言いたくない。
でも言わなきゃならない。
自分が人殺しかもしれないという証拠を。
「明。……夢で死んでる明の前にいる私の手。……血で…真っ赤に染まってたんだよ」
今も手に目を向ければ、真っ赤な血が滴り落ちている気にさえなる。
手には傷一つないのだから、自分の血のわけがない血。
その血が誰のものなのかなんて分かりきっている。
目の前で倒れて死んでいる明のものだ。
そこから自然と導かれる答えは……。
「私が、……明を殺したのかもしれないの」
明を殺したのが自分だったとしても、全ての人から事件の記憶が消えているこの世界では、答えは見付からない。
答えは、……ひなの記憶だけ。
記憶を思い出さなきゃならないのに、思い出すのが怖い。
自分が人殺しかもしれないという事実を知るのが怖い。
そして何より、……亮介に拒絶されるのが怖い。