仲良し8人組



ページを捲る手を止めてじっとその場所へと目を落とす卓が頭を捻る。



「うーん。特に何も無かったと思うけど」


「やっぱ、そうか」



日記になら何か残っているかも!と少しだけ期待していた亮介だったが、あっさりと希望が崩れ落ちる。


ひなに関してはもう慣れなのか、ギュッと唇を噛むだけ。


亮介がガクッと肩を落としている中、卓が淡々とした口調で、


「仲良し5人組だったっけ」


そう口にした。


仲良し5人組。


その言葉で卓も明や勝也を覚えていない事は明白だ。



「それがどうした?」


「誰が最初にこんなダサい名前付けたんだっけかなと思ってさ」


「ダサいって……」



亮介の眉間に皺が寄る。と、同時に卓の言葉がひなの胸を刺した。


最初に仲良し8人組と言ったのは、ひなだ。


いつも8人で一緒にいて、遊んだりする。そんな毎日が続く中で自分達の事をそう言ったのだ。


それを皆が良いね!と言って使い始めた言葉。


だった筈なのだが。


どうやら卓は『良い』とは思っていなかったらしい。


亮介の顰めっ面に気付いた卓は、


「あれ?亮介だったっけ?馬鹿な女だったと思ってたけど」


そう言って首を傾げる。



「馬鹿な女って!」



キッと卓を睨む亮介は、ひなが言い出したのを覚えている。だからこそ、卓に怒りを顕にしているのだ。


卓の言う馬鹿な女は間違いなくひなの事。


< 164 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop