仲良し8人組
真っ赤なペン。
『死ね』の文字。
書かれている内容の上にはその日の日付。
ひながまだ中学生だった頃の日記だ。
『その『死ね』の言葉の上に書かれている名前、それは『ーーー』だった。
仲が良さそうにしながら、こんな呪いの様な事をする。
夢は実に興味深い。
そして、今朝。
彼女の机から夢が昨日書いていた紙が出てきた。
それに対して夢は、『こんな事するなんて許せません!』と怒りを顕にしたのだ。
自分が書いて自分がその机に入れた癖に』
相手の名前の部分だけ何故か滲んでいて読む事が出来ない。
でも、ひなはそこに誰の名前が書かれていたか知っている。
この書かれている内容は、自分に起こった事なのだから。
滲んでいて読めない名前は『神崎ひな』だ。
ひなはこの世界では消えかけた存在。だからこそ卓の日記の中のひなの名前も消えかけているのだ。
「夢が、……書いたの……」
消え入りそうな震えた声を出すひなを亮介が心配そうに見つめる。
「ひな、…大丈夫か?」
亮介がそう訊いてもひなは耳を傾けない。
余りにも衝撃が大きかったのだ。
「夢は、……私に死んで欲しかったんだ」
そんなひなの呟きが亮介の耳に残る。
再び亮介がひなの名前を呼ぼうと口を開こうとしたその時、
カチャッ。
その音と共に卓が部屋へと戻ってきた。
「それ、……読んだ?」
ドアの前に真っ直ぐ立ち、2つのマグカップを持った卓の目は細められて笑っている様。
なのに、卓の声はさっきよりワントーン低い。