仲良し8人組
『明に一応聞いておきたい事があってさ』
『卓が?……何を?』
『高校で夢をいじめていた女子の中に明も入っていた事を今日皆に話そうかと思ってさ』
『な、何で今更!』
『そんなの、皆がどんな反応をするのか見てみたいからに決まってるじゃないか』
『そ、…そんな……』
怯えた様に震えた明の声と、クスクスと楽しそうに笑う卓の声。
そこで慌ててその場から離れたんだ。
聞かなかった事にしよう。
私は何も聞かなかった。
そう自分に言い聞かせて。
頭を抑えながら絶句するひなの耳に届く卓の嫌な笑い声。
記憶の中と同じその笑い声がひなの頭に木霊する。
「教科書をトイレに捨てられたり、ゴミ箱のゴミを机の中に突っ込まれたり。机に死ねやバカの落書きは日常茶飯事。あれは笑えたよ」
「笑えたって、お前……」
あからさまに嫌な顔をしている亮介を卓が鼻でフッと笑う。
「見て、影で笑う。それだけさ。僕がずっとそうしてきたのを亮介は知ってるだろ?」
「…………」
卓から視線を逸らせるも否定もせず無言を貫く亮介は、卓が言う通り卓がずっとそうしていたのを知っていたのだろう。
知らなかったのは、……ひなだけなのかもしれない。