仲良し8人組
それにクックッと笑って「だよな」と言う亮介は、ひなの答えを分かっていたのだろう。
怖いという思いを吹っ切ったのか、スタスタと校舎の入り口へと歩いていくひなが、後ろを振り返ると亮介へ手招きをする。
「ほら、亮介早く!」
「おう」
ひなへと駆け出す亮介。
そんな亮介にひながふわっと微笑んだ。
校舎の中へと足を踏み入れた二人の目に先ず映るのは下駄箱だ。
下駄箱といっても木の棚があるだけの様な物。
その下駄箱も工事の影響か傾いている物もある。
「中に入るとやっぱり懐かしいね」
「怖い気持ちも少しはましになった?」
「少しだけ…ね」
そう言いながら、ひなは中学の時に自分の下駄箱だった所を目で探す。
確か、皆で集まった時も自分の下駄箱だった所を探したんだった。
記憶が少しずつ思い出してきている事に安堵して、ほっと溜め息を吐いたその時、
ひなの視界の端にふわっと揺れる紺色のスカートの女の人が下駄箱を横切った気がした。
「えっ!?」
思わず声を上げたが、そんなひなを不思議そうに亮介が見つめている。
「どうした?」
「あっ、……今そこを……誰かが横切った気がしたんだけど」
ひなが指差すのは下駄箱の前の廊下だ。
そこを女の人が横切った……ような気がした。
「あれ?俺、ずっと見てたけど誰も通らなかったぜ」
「えっ……。私の見間違えかな」
ただそんな気がしただけなのかもしれない。
キョトンとした表情をしている亮介が嘘を吐いているとも考えにくい。