仲良し8人組
絶対に見た!そう思うのに、気のせいだったのかも…と思おうとしている気持ちもあるのか、不安そうな顔になったり、パッと明るくなったりとコロコロ表情を変える。
そんなひなを隣で手を引きながら見ている亮介がクックッと喉を鳴らして小さく笑った。
階段にさしあたった所でひなが一段目に足を乗せると、ミシッ…っと嫌な音が響く。
ミシッ…、ミシッ…っと鳴り続ける階段。
校舎の中を照らす光も夕日へと変わったのか真っ赤に染まった階段はまるで血が流れている様だ。
階段を上りきると、廊下の先に理科室が見える。
理科室は2階にあるからか、窓ガラスも割れていないらしい。
「理科室って、何だか怖いイメージだよね」
「人体模型とかって、まだあんのかな?」
「どうなんだろ?出来れば無い方がいいかな」
「だな」
理科室へ歩を進めながら、へらっと笑ってそんな会話をして恐怖を誤魔化すひな。
それを亮介も分かっているからか、ひなの背中をぽんぽんと優しく叩いた。
理科室の前へと着くと、キィーという嫌な音と共に理科室の戸をひながそっと開ける。
目の前に広がるのはグループでの実験で使っていた大きな木の机と椅子。
その上には特に何も置かれていないが、壁に沿って配置されている棚には、ビーカーや試験管。また不気味さが増すカエル等の小動物のホルマリン漬けが未だにビシッと並んでいる。
廃校という事で処分すらしなかったのだろう。
「ホルマリン漬けがあるとか……」
そう眉をしかめる亮介の隣でひなはズキッと痛む頭を抑えた。