仲良し8人組
目が覚めたひなは、ゆっくりと腰を上げると短大へ行く準備をしていく。
焦げ茶色の腰までの髪をヘアアイロンで巻いて、化粧をする。
この歳になれば、お洒落に興味が出てくるのは当然の事で。
ひなも高校卒業と共に一気に大人っぽくなった。
と言っても、いきなり中身まで大人っぽくなったか?と聞かれたら、なったとは答えられないのが現実である。
高校を卒業したからといっていきなり性格までが変わる人等そうそう居ない。
クローゼットの前で服を吟味して眉間に皺を寄せている。
暫くしてそっと手に取ったのは、ブラウスとフレアスカートという少し綺麗目な服だ。
いつもならラフな格好を選ぶ事が多いが今日は少しだけ綺麗目な服を選ぶ。
それは今日は夕方から、中学の仲良し8人組で集まる約束があるから。
ひな達の中学校は年々生徒数が減っていて、遂に今年の3月末でその役割を終えた。
つまり、他の中学校へと吸収合併されるのだ。
その為、役割を無くした中学校の校舎は廃校となり今年中に取り壊されてしまうらしい。
取り壊される前に思い出の場所で。
また8人で。
一緒に会おう。
そう提案したのはやっぱりひなで、それに一番に賛同したのは亮介だ。
だが、8人全員がその中学校の校舎に思入れがあるのは間違い無い訳で。
多分、ひなが提案しなくても他の誰かが提案していただろう。
身支度を済ますと、テーブルの上でチカチカと点滅しているスマホを手に取る。
画面に映し出されているのは亮介からのラインの知らせ。