仲良し8人組
「おはよー。真由美」
その返事に真由美は更にニコッと歯を見せて笑うと、ひなの隣の席へとストンと腰を下ろす。
そして、鞄の中から筆記用具を出しながらひなを下から上までじっくりと見つめた。
「今日は、いつもより綺麗目な服装だね。何か用事?まさか彼氏!?彼氏とデートなの!?」
「違うって!彼氏居ないし!」
「ほんとにー?」
疑う視線がひなへと突き刺さるが、実際にひなに彼氏は居ない訳で。
次いでに言うと、ひなに彼氏というものが出来た事は一度もない。
流石にそろそろ彼氏が欲しいという気持ちもあるのだが、今一合コンに参加する気になれないのは、胸の奥に燻っている気持ちのせいなのだろう。
亮介への気持ちの……。
好きとは言えないけれど、好きな気持ちをスッキリと消してしまう事も出来ない曖昧な状態。
まさに今のひなはそんな状態だ。
「彼氏、……欲しいんだけどね」
溜め息混じりのひなのその言葉で、彼氏とデートという予想が間違っていたと真由美も気付いた様だ。
「本当に彼氏が出来たとかじゃないのか。残念」
隣で机に頬杖をついて唇を尖らせる真由美を見ていたひなから、苦笑いが漏れる。
「残念って、何を真由美は期待してんだか」
「えー、だってひなに彼氏が出来たら、その彼氏の友達紹介してもらおうって思ってんだから、残念でしょ!」
「それが狙い!」
「そうですが」
そこで顔を見合わせて二人同時に笑い出す。