仲良し8人組
記憶なんてものは、思い出したい!と強く思った所で思い出せるものじゃない。
何か似たような事が起こると、あっ、そういえば昔こんな事あったよね!みたいな感じで思い出すだけ。
つまり、切っ掛けが無いと何も思い出せないわけだ。
が、そこでひなが不思議そうな顔をして首を傾げた。
「えっ?記憶はなくしてないんですよね……。だったら、いつの記憶を思い出したらいいんですか?」
思い出す事。と言われても、いつの出来事を思い出せば良いのか分からない。
「勿論、3年間の記憶はなくしてないよ。でも、タイムスリップをする原因となった出来事が必ずあった筈だ。多分、ここに来るギリギリまでの記憶だと思う。君はそれを思い出さなきゃならないんだ」
「原因……?」
タイムスリップをしてしまう原因があったって事?
例えば、時空ワープ装置なんて物がついた乗り物に乗り込んだ……とか?
……流石にそれは無いと思うけど。
「ああ。何事にも必ず原因がある。記憶が戻った時、それが元に戻れる時だ」
サトシの『必ず原因がある』というその言葉が妙にしっくりくる。
しっくりくるからこそ、どっと不安が押し寄せてきた。
「そんな、……記憶が戻らなかったらその原因が分からない」
原因が分からなかったら戻れない。
つまり、タイムスリップした原因を見付け出す為に記憶を思い出さないといけないのだ。