仲良し8人組
「そうだよ。ひなだ!」
ほぼひなの目の前に亮介が来ると目の高さを合わせる様に屈み、そう言ってひなの両肩を優しく掴んだ。
「私の事、知らないんじゃ……」
電話で誰?と言ってた筈。
電話をしていた相手が亮介じゃなかった?
それとも、今目の前にいる亮介が亮介じゃない?
どこをどうみても亮介に見えるのに。
ひなの言葉に少し首を傾げる亮介は、偽者なんて思えない。
「そ…うなんだよ。知らないって思ってた。うん。知らないって思ってた筈なんだよな。あれ?何でだろう?電話だってしきてたの、ひなだろ?」
ん?ん?と首を傾げて不思議そうにしながら考えているその姿は嘘を吐いている雰囲気じゃない。
本当に分からないって顔だ。
「そうだけど。私を知らないって、…嘘吐いてたの?」
「嘘…じゃないな。本当に知らないって思ってたんだよ。何でだろう?記憶にも無かった気がする」
記憶にも無かったって事は、やっぱり知らなかったっていう事になる筈なのだが、
「でも、でも今……」
亮介はひなの名前を口にした。
知らないなんて思えない雰囲気で。
ひなの疑問が分かったのか、亮介があー、それはさ…と口を開く。
「ひなと目が合った瞬間に、ひなとの記憶がガーッて頭の中に入ってきた感じ…っていうのかな?何でひなの事忘れてたんだろ?って位なんだけどさ」
「目が合った瞬間……」
「あー、でもひなと会うのって3年ぶりくらいだよな?」
「3年ぶり」
3年亮介と会っていなかったという記憶。