仲良し8人組



「開けていい?」


「どうぞ」



ひなのその言葉を合図にプレゼントの包装紙がはがされていく。


包装紙の中から顔を出したのは長方形の白い箱。


その蓋を開けると、緑と紺と赤の三色のストライプ柄のネクタイが姿を現す。


亮介は、シックな雰囲気が好きで赤色の入ったネクタイなんて選ばないタイプだ。


それでもそれを選んだのは、赤色の人へ与えるイメージに惹かれたから。



「格好いいじゃんかよ!」


「良かった」



亮介のその言葉に微笑むと共にホッと胸を撫で下ろす。



「ありがとな!」


「私の方こそ、貰ってもらえて良かった。私が亮介に見えてなかったらあげる事も出来なかったしね」



渡したかったプレゼントを渡せた。


もし、……もし自分が消えてしまったらもう渡すことすら出来ないプレゼントを。


それだけでひなは満足だ。


それなのに、更に亮介が喜んでくれるなんて特典付き。



知らず知らずのうちににやけてしまう。


亮介が、箱から取り出したネクタイを手に持ってまじまじと見つめながら、ボソッと呟く。



「マジでひなが見えるのが俺で良かった」



それを言うのは私の方だよ。



「私も、亮介で良かった」



同じ様な事を言う二人は顔を見合わせると、同時に笑う。


緩やかに流れる時間は3年という空白の時間があったとしても何も変わっていない。


「次、出社する時に使おうっと」



シシッと歯を見せて子供の様にそんな言葉を吐く亮介にふふっとひなが笑い声を漏らした。



赤色のイメージは、強い生命力。


今の亮介にもピッタリなのかもしれない。



その後二人とも朝食を済ますと、二人揃って亮介の家を出た。


先ず向かうのはひなの家だ。


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