水曜日の彼女


そして博斗は、得意の愛くるしい表情を浮かべ、



「亜紀さんの息子は、兄ちゃんもだからね♡



会う会わないは明日聞くよ。


考えておいて?午前中にもう一度ここに寄るから。



じゃあ遼さん。

もう少し兄ちゃんの子守よろしく~~♡♡」





そう言ってニッコリ笑いながら、俺と遼に手を振ると、慌ただしく部屋を出て行った。



博斗が出て行ったドアの方を見つめながら、遼が大袈裟に溜め息をつく。




「……ったく、どっちが兄なんだか…。

お前…この1週間なに考えてた?」



呆れたような遼の口調に、小さな声で呟く。



「……玲菜に叩かれた事と……あとは…また傷つくのが恐くて…何も考えられなかった。」



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