水曜日の彼女
「朝陽~~っっ!遼くんが来てるわよ~~。」
もうすぐ夏休みが終わろうとしている頃、部屋で雑誌をめくっていると、1階から母さんの声が聞こえてきた。
は??遼が来てる??
部屋のドアを開けようとすると、すでに2階へ上ってきたのか、部屋の前に遼が立っていた。
「よう朝陽!
毎年恒例の宿題写しさせて♡」
ニッコリ笑って言う遼に、心底イラッとして、そのまま部屋のドアを締めようとする。
「ちょっっ…何締めようとしてるんだよ!
せっかく良い情報持ってきたのに。」
「何だよ…良い情報って……。」
俺が不審そうに遼の顔を眺めながら、そう言うと、遼が俺の言葉も聞かずに、部屋の中にヅカヅカと入り込んできた。
「加藤玲菜ちゃん情報だよ♡」
そう言ってニッコリ笑った。