水曜日の彼女


「朝陽~~っっ!遼くんが来てるわよ~~。」



もうすぐ夏休みが終わろうとしている頃、部屋で雑誌をめくっていると、1階から母さんの声が聞こえてきた。


は??遼が来てる??


部屋のドアを開けようとすると、すでに2階へ上ってきたのか、部屋の前に遼が立っていた。




「よう朝陽!

毎年恒例の宿題写しさせて♡」



ニッコリ笑って言う遼に、心底イラッとして、そのまま部屋のドアを締めようとする。




「ちょっっ…何締めようとしてるんだよ!

せっかく良い情報持ってきたのに。」




「何だよ…良い情報って……。」



俺が不審そうに遼の顔を眺めながら、そう言うと、遼が俺の言葉も聞かずに、部屋の中にヅカヅカと入り込んできた。




「加藤玲菜ちゃん情報だよ♡」




そう言ってニッコリ笑った。




< 99 / 375 >

この作品をシェア

pagetop